マルセン財団

第12回マルセンスポーツ文化賞

マルセン文化大賞

隠﨑 隆一 (備前焼)
県外出身で2代目、3代目が輩出されない作家にとって、良い備前土の入手が困難な中で山土なども使用した従来の備前焼になかった造形感覚の作品として注目されている。 また、備前焼では不可能だと思われるような新しい造形への制作力には目を見張るものがあり、公募展出品、個展開催には常に新しい形が生まれ、名実共に日本陶芸界を牽引する目の離せない作家として国内外から一目置かれる存在である。 各種公募展での、入選・入賞、国内外での個展、招待出品は枚挙に暇がないほど。一窯業地・一種類の陶磁器に、同時に2人の例はないが近年他窯で設定された作家としても決して遜色がない。

マルセンスポーツ賞

荒島 夕理 (陸上競技)
女子400mHで南関東インターハイ、日本ユース選手権、長崎国体の3冠を成し遂げた。中盤までハードル間を15歩で押す高い技術と、終盤の粘り強さ武器に抜群の勝負強さを誇った。記録面でも、日本高校歴代10位・岡山県新記録となる58秒76を2度マークする高水準だった。高校最後のシーズンは、再びの全国3冠と20年以上破られていない日本高校記録(57秒65)の更新を目標に掲げる。
井上 全悠 (卓球)
1歳未満の時に、交通事故により両下肢障害となるが小学校で卓球と出会い、中学から本格的に始めました。中学時代から礼儀正しく、落ち着いた学校生活を過ごすことができた。初心者でありながら、入部当初から真摯に打ち込み、その上達は早く、試合中では闘志溢れるプレーで立ち向かい、試合後は清清しい握手でお互いを称える姿も見られるなど、非常にスポーツマンらしい態度を培うことができた。メディアの取材も次第に増えていったが、落ち着いて自分の言葉でしっかり語れることができ感心している。高校時代には、卓球部の主将を務めチームを牽引し、高校総体では中国大会へも出場している。その人柄から部員、友達だけでなく全校の生徒、教職員からも慕われている。高校2年生時、本校の創立記念式では佐藤真海さん(2020年夏季五輪・パラリンピックの東京招致活動を行った陸上選手)の講演も実現することができた。
原田 裕成 (自転車競技)
高校で自転車競技を初め、3年生時のインターハイでは3キロ個人追い抜き・ロードレースにて3位に入賞。平成26年度に開催された、第83回全日本自転車競技選手権大会トラックレースにおいて男子エリート スクラッチ(15km)優勝。男子マディソン(25km)優勝。
日本 雄也 (水泳競技)
小学6年生から南條正行コーチ(アクロポート=岡山市)の指導を受ける。2014年南関東インターハイ 競泳平泳ぎ200mで優勝し、岡山勢男子として初の頂点に輝いた。その後の100mも制し、岡山勢として1966年に女子自由形で2種目制覇した木原光知子氏(故)以来のインターハイ2冠の偉業を達成。力強いキックと伸びやかなストロークを武器に五輪出場を目指せる人材である。
丸本 大翔 (ウエイトリフティング競技)
浅口市立鴨方中学校時代はソフトテニス部に所属していたが、岡山県立水島工業学校に入学を機に親戚の薦めもあって重量挙げに転向した。今年1月に倉敷市で行われた中国高校選抜大会では、スナッチで日本高校新記録の141キロをマークし、潜在能力の高さを再び証明した。重量級の選手に多いパワーだけに頼ったスタイルではなく、天性の柔軟性と正確なフォームが躍進の原動力。高校最後の1年は、岡山勢初の全国6冠達成と、ジャーク、トータルでも日本高校新の樹立を狙う。

マルセン文化賞

粟利郷太刀踊保存会 (伝統芸能)
瀬戸内市牛窓町長浜の粟利郷地区に伝承されている踊りで、平成13年に岡山県の重要無形民俗文化財に指定されている。粟利郷天神社の秋祭りに奉納される踊りで少女4人により踊られる。男役・女役がそれぞれ太刀、なぎなたを持ち、箱の蓋を白子木で叩いてリズムをつくり、囃子と歌に合わせて軽妙に踊る。単調にして簡素な踊りではあるが、その所作には古風な伝統と軽妙な舞踏の美しさが見られる。
小野 耕石 (版画)
平成26年12月、絵画、写真など若手平面美術家の登竜門とされるVOCA展2015で最高賞であるVOCA賞を受賞。岡山県での活動は、2007年以降アートプロジェクト「犬島時間」に参加。2015年には、イオンモール岡山内のアートスペース「アーツハレマチ」に作品展示しており、今後の飛躍が期待できる逸材である。
河本 昭政 (洋画)
「改組 新第1回日展」第二科(洋画)にて、ソファでくつろぐ女性を大きな空間の中に収めた「女」が初の特選に選ばれた。モデルの妻と二人三脚で描き続けて35年。いわゆる美人画的要素や衣服の表面的な猫写などにはこだわらず、女性の本質的な美しさ、内面的な情趣をじっくり描き出した佳作であり、今後の活躍にも期待がふくらむ。
藤本 理恵子 (日本画)
「改組 新第1回日展」第一科(日本画)にて、池田動物園で取材したアメリカバイソンをモチーフに選んだ「バイソンの森にて」が、初の特選に選ばれた。座り込んだアメリカバイソンのもこもこした毛を森に見立て、色鮮やかなインコを遊ばせた画面は幻想味豊か。作者は、後楽園の丹頂鶴を初め、動物を題材に温かな命の鼓動を伝える作風を続けてきたが、今後も動物シリーズの展開に期待がもたれる。
森上 光月 (書道)
「改祖 新第1回日展」第五科(書)にて、古筆の品格を追及した端正な書で古今和歌集3首を表現した「梅の花」が、初の特選に選ばれた。審査では、「自然な運筆の呼吸で立体的に形成された紙面。澄明感漂う和様美が巧みに表現された」と称賛され、今後の発展にも期待できる。
守屋 剛志 (ヴァイオリン演奏)
幼少より、父親の手ほどきで、ヴァイオリンを始めた。ヴァイオリンの天才少年と多くの人々から認められた存在でしたが、自己の才能に溺れず現在は益々技術力の高まりを感じ、その上その音楽性の深さと高貴な音色は聴いた人全てに感動を呼び起こします。近年はソロ活動と共にクアルテット(四重奏団)を組み、その第一奏者として世界的な演奏活動をして、2014年にはベルリンのコンクールで第3位。又、ニューヨークのヤングコンサート・アーティストオーディションにて第2位。その上特筆すべきはオランダのオルランド国際室内コンクールにて優勝、併せて聴衆賞を受賞しました。この事はとてつもない快挙です。 岡山県が誇るヴァイオリン演奏者であり、今後益々世界的に為って行く人物と期待がもたれる。

メディア/ギャラリー